07 ”腹八分に医者いらず”


「腹八分目」という言葉を最近あまり聞かなくなった気がします。テレビでは、大食いを競う番組が多くみられます。いつからこの傾向があるのか不明ですが、戦前戦後の乏しい食事からの反動がまだ続いているのかもしれません。それは、はたして幸せなのかどうなのか。

NHK『きょうの健康 すっきり解消!胃の悩み「胸やけ」(2022年11月16日放送)』では、逆流性食道炎になりやすい人として、胃酸過多、大食い、高齢者、姿勢が悪い、肥満、ピロリ菌除菌後、を挙げています。高齢者で大食いというのはあまり聞かないので、やはり若い人から中高年、ということになるでしょう。

当社では、逆流性食道炎対策マットを製造・販売しています。高齢者の現場から生まれた商材なので、当初は高齢者の利用を想定していたのですが、2015年の発売以来、若い方からの注文が多いことに驚いたものです。これは、大食い、洋風の食事、姿勢、などからくる逆流性食道炎が原因なのではないかと考えています。
ぴっちりと下半身を締める服装の影響もあるでしょう。上から胃にたくさん入ってくる食べ物を、下で締め付けて抑えると、当然ながら出口を失って上に上がってくるしかありませんね。

「腹八分目」という言葉がいつから生まれたか分かりませんが、調べてみると、江戸時代中期に福岡藩の儒学者、貝原益軒によって書かれた『養生訓』巻第三 飲食上 ではこのように書かれているそうです。
——————————————————————-
「食事の量が少ないと脾胃の中にゆとりができて、元気がめぐりやすく、
食物が消化しやすくて、飲食したものがすべて身体の養分になる。
したがって病気になることが稀で、身体も強くなる。

多食し満腹にすると、元気のめぐるべき道をふさいで、消化しない。
だから飲食したものが身体の養いにならない。
脾胃にとどこおって元気の道をふさぎ、循環しないで病いになる。
——————————————————————–
このような教えが、日本では長く大切にされてきたのでしょう。戦後の西洋化は、こんな教えも遠いものとしてきたようです。

また、数千年の歴史があるインドのヨガの教義には、このようなものがあるとか。
「腹八分目で医者いらず、腹六分目で老いを忘れる、腹四分目で神にちかづく」
※ちなみに、「腹六分目」とは、” まだ余裕で食べられる ” というお腹の状態だそうです。

にほんブログ村 介護ブログ 福祉・介護用品へ にほんブログ村 ベンチャーブログ シニア起業家へ にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へ
*にほんブログ村に参加してます。クリック頂くと励みになります!
This entry was posted in 胸やけ太郎の逆食コラム. Bookmark the permalink.