高齢者とソファー


ソファーから立ち上がれない状況を、高齢者の現場に入るまで知りませんでした。
しかし、アキレス腱断裂で下肢筋力が低下してしまった私は、やっとその可能性を身をもって感じることになりました。

ソファーは、食卓の椅子などと比べると、寛ぐためにシート高さが10センチ以上は低く作られていることが多いようです。しかも、ふかふかでお尻が沈み込むタイプのものだと、筋力の低下した方にはさらに立ち上がりが困難になります。低いところから立ち上がるという動作は、バランスだけでなく筋力も相当に必要なものです。

高齢になるにつれ、運動量が減り、ソファーに座る時間も自然に長くなってきます。それ自体は望ましいことではありませんが、ある程度は仕方のないことです。ある意味、寝たきりよりはずっと良いと言えるかもしれません。

ただ、愛着のある椅子やソファーは、こだわりもあったりして、なかなか手放せないものでしょう。慣れた椅子の座り心地は、やはり幸せな時間につながっていくのだと思います。ですから、立てなくなったからといってすぐに交換するのではなく、長く使えるようにいろいろな工夫をしたいものです。

写真の事例は、ソファーの脚に下駄を履かせて、高さを上げたものです。かさ上げの高さは、低過ぎても意味がないし、高すぎると座り心地が変わってしまいます。これまでの経験では、6〜10センチ程度のかさ上げが、座り心地と立ち座りの両方を生かせるころあいかと思われます。

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