歴史あるお寺の階段は、段差が高くて昇降が厳しいことが多いようです。しかし、案外手すりがないところが多く見受けられます。高齢者の多いお寺にこそ、手すりが欲しいもの。
とはいえ、ステンレスの冷たい手すりをボルトでビシッとつけてしまうのも、外観に傷がつくというものです。
この写真は、四国遍路第二十二番札所平等寺に納めた置き手すりです。木製ベースの中にはコンクリブロックの重しが入っています。さらに、階段のひさしの部分に差し込んで、上下に押し付けることで固定しています。
ベースには、階段と同じヒノキ材を使っているので、10年も経つと階段と同化して色は目立たなくなると思います。
このように、実際に頼りにしてもらえると、作り手としては嬉しいものです。それにしても、昔の高齢者はどうやって昇降をしていたのか、不思議です。