これは、ある下肢全廃の方のために作ったリハビリ器具です。どのように使うか分かりますか?
依頼者は50代で、下半身が動かなくなった男性の方でしたが、もともと頑張り屋さんということもあり、動かなくなった両下肢に筋力をつけたいが何かできないか、という相談でした。
そこで、このような器具を考えましたが、完成までにはいくつもの修正や調整が必要でした。試行錯誤しながら作りましたが、さまざまな意味で作る側も大変勉強になりました。
使い方は、車いすで正面から乗り付け、ロックをかけます。そして膝当てに両膝を入れて、次にハシゴ状の横棒を両手で掴んで少しずつ立ち上がります。
立ち上がったら身体を固定するバンド(緑色のもの)を後ろに回して固定し、そのままで10分程度立ったままでいる…これがリハビリです。
ご本人様は、これで窓から外の景色を眺めることを楽しみに、このリハビリを続けておられたそうです。
もっとも大事なポイントは、「膝を固めること」でした。膝を固めないと人間は立てないということを学びました。逆に、膝を固めていると、立ち上がりはとても安心になります。この方には、諦めずに努力する気持ちもあわせて教わりました。