北の縄文遺跡群の世界遺産登録に思う


『北海道・北東北の縄文遺跡群が世界自然遺産に登録決定』
朝刊の1面は、感染者数増加とオリンピックで埋め尽くされるなか、朝日新聞では29面、日経新聞では42面に、控えめにこのニュースが報じられていました。これはとても残念なことです。
古代ファンだから残念、というわけではなく、世界でも類を見ないこの長く特徴的な時代が日本にあったことを日本人が知る、そのチャンスがトーンダウンしてしまったことが残念なのです。

「大化の改新」から現在までがおよそ15世紀、明治維新から2世紀も経っていないわけですが、縄文時代は120世紀ほども続いたのです。その長い時代が、自然の脅威にさらされ、食糧調達に追われ、栄養失調や病気に苦しみ続けた…わけではないということが、今回登録された遺跡群や遺物を知ることで理解できます。

豊かで、精神性に富み、他を受け入れ、そして何よりも争わないという社会を、1万年以上にもわたって続けていたという事実。まさにいまやトレンドワードになりつつある「持続可能性」 のお手本です。
それがこの日本で展開されていたという事実を知ることは、今後の社会のあり方を考える上でも、とても大切なことだと思うのです。

気候・風土・地理的条件がそろって初めて可能になった奇跡ともいえるこの時代のことを、私たち日本人はもっと学んでもおかしくないと思います。
SDGsを語る現代にあって、こんなに貴重な過去のお手本をムダにしないで欲しいと願うばかりです。

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