<逆流性食道炎の症状とチェック方法>
食生活や加齢などが原因となることがあ り、成人の10〜20%がかかっていると推定されています。
逆流性食道炎の主な症状は、胸やけや胸の痛み、飲み込みづらさなどです。
しかし、咳や声のかすれなども起こることがあります。逆流性食道炎は、放っておくと食道がんに
なる可能性もあるため、早めに治療することが大切です。
では、自分は逆流性食道炎かどうかどうやって判断すればいいのでしょうか?
以下のチェックシートを参考にしてみてください。
•食後や横になったときに胸やけを感じる
•飲み込むときに違和感や痛みを感じる
•胸やみぞおちのあたりが圧迫感や重苦しさを感じる
•酸っぱいものや苦いものが口に上がってくる
•喉がイガイガしたり、声がかすれたりする
•痰のない咳が出たり、息切れしたりする
•食事量が減ったり、体重が減ったりする
上記の項目で2つ以上当てはまる場合は、逆流性食道炎の可能性があります。
消化器内科や内視鏡科などで診察を受けてください。
内視鏡検査で食道の粘膜の状態を確認し、診断をします。
逆流性食道炎は、薬物治療や生活習慣の改善が必要となります。
食事の内容や量、食べる時間などに気を付けることが大切です。
また、福祉用具のご利用もおすすめします。
<逆流性食道炎の診察科と検査方法>
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して、 食道に炎症を起こす病気です。
放っておくと食道がんになる可能性もあるため、早めに治療することが大切です。
逆流性食道炎は、消化器内科や内視鏡科などで診察を受けることができます。
どちらの科を受診するかは、逆流性食道炎の程度や合併症の有無などによって異なります。
消化器内科では、問診や身体診察に加えて、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を行って断診します。
胃カメラは、口から挿入する内視鏡と、鼻から挿入する細い内視鏡(経鼻内視鏡)があります。
経鼻内視鏡は、口からの内視鏡に比べると楽に検査を受けることができるようになっています。
内視鏡科では、消化器内科と同様に胃カメラを行いますが、より高度な技術を持っています。
例えば、食道がんになりやすい変化(バレット食道)がある場合は、内視鏡で細胞を採取して検査する(生検)ことができます。
また、内視鏡手術(内視鏡的粘膜切除術や内視鏡的粘膜下層剥離術など)を行うこともできます。
内視鏡手術は、開腹手術に比べると出血や痛みが少なく、回復も早いというメリットがあります。
一般的には、軽度から中度の逆流性食道炎であれば消化器内科で十分ですが、重度の逆流性食道炎やバレット食道がある場合は内視鏡科を受診することをおすすめします。
また、どちらの科でも予約制の場合が多いので、事前に電話やインターネットで予約を取ることが必要です。
<逆流性食道炎の治療法と予防法>
逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流して、食道に炎症を起こす病気です。放っておくと食道がんになる可能性もあるため、早めに治療することが大切です。逆流性食道炎の治療法は、薬物治療と生活習慣の改善が基本です。
薬物治療
薬物治療では、胃酸の分泌を抑える薬や、胃酸の逆流を防ぐ薬を服用します。これらの薬は、食道の炎症を治すだけでなく、痛みや胸やけなどの症状を和らげる効果もあります。医師の指示に従って、定期的に服用しましょう。
生活習慣の改善
生活習慣の改善では、逆流性食道炎の原因となる食事や睡眠などに気を付けることが必要です。以下のポイントに注意してください。
- 食べ過ぎや早食いを避ける
- 高脂肪食や刺激物(コーヒーやアルコールなど)を控える
- 食後2〜3時間は横にならないようにする
- 睡眠時に頭を高くして寝る
- 肥満があれば減量する
- 喫煙をやめる
- ストレスを溜めない
<逆流性食道炎を予防する5つのポイント>
逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流して、食道に炎症を起こす病気です。
日常生活に影響するだけでなく、放置すると重大な合併症を引き起こす可能性もあります。逆流性食道炎を予防したり、再発を防いだりするためには、日頃から気を付けることがあります。以下に、5つのポイントを紹介します。
1. 食事の内容と量に注意する
食事は、逆流性食道炎の原因の一つです。 高脂肪食や刺激物は、胃酸の分泌や逆流を促進するため、控えましょう。 以下のような食品は避けるか、少量にしましょう。
- 脂っこい肉や揚げ物
- チョコレートやアイスクリーム
- コーヒーや紅茶
- アルコールや炭酸飲料
- スパイシーな料理や香辛料
また、食べ過ぎも逆流性食道炎の原因になります。 胃が膨らむと胃内圧が上昇し、胃酸が逆流しやすくなります。 一度にたくさん食べるのではなく、少量でも回数を増やして食べるようにしましょう。
2. 食後は横にならない
食後すぐに横になると、重力の影響で胃酸が逆流しやすくなります。 特に夜間は唾液分泌量が減り、唾液が中和する作用が弱まるため、逆流性食道炎の症状が強く出ることがあります。 そのため、食後は2〜3時間は横にならず、起きているか座っているようにしましょう。 また、睡眠時には頭を高くして寝ることで、逆流を防ぐことができます。 枕を2つ重ねたり、ベッドの頭側を高くしたりすると効果的です。
3. 肥満を改善する
肥満は、逆流性食道炎のリスクを高める要因の一つです。 肥満によって腹圧が上昇し、胃酸が逆流しやすくなります。 また、肥満は食道裂孔ヘルニア(胃が食道に逆流しやすくなる状態)の原因にもなります。 そのため、肥満があれば減量することが大切です。 適度な運動やバランスの良い食事を心がけましょう。
4. 喫煙をやめる
喫煙は、逆流性食道炎の原因にもなります。 喫煙によって、下部食道括約筋が弛緩したり、唾液分泌量が減ったりすることで、胃酸の逆流が起こりやすくなります。 また、喫煙は食道がんのリスクも高めることが知られています。 そのため、喫煙者は禁煙することをおすすめします。
5. ストレスを溜めない
ストレスは、逆流性食道炎の原因にもなります。 ストレスによって、自律神経のバランスが崩れたり、胃酸の分泌量が増えたりすることで、胃酸の逆流が起こりやすくなります。 また、ストレスは食欲や睡眠にも影響するため、逆流性食道炎の症状を悪化させる可能性もあります。 そのため、ストレスを溜めないようにすることが大切です。 リラックスできる趣味や運動をしたり、友人や家族と話したりするなどして、ストレスを発散しましょう。
<逆流性食道炎の症状を楽にする商品の紹介>
逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流して、食道に炎症を起こす病気です。薬物治療や生活習慣の改善で治すことができますが、それだけでは不十分な場合もあります。
そんなときに役立つのが、逆流性食道炎の症状を楽にする商品です。 以下に、おすすめの商品を紹介します。
1. 高さ調節可能なマット
高さ調節可能な枕は、睡眠時に頭を高くして寝ることができる商品です。 睡眠時に頭を高くすると、重力の影響で胃酸が逆流しにくくなります。 高さ調節可能な枕は、自分の好みや体型に合わせて高さを変えることができるため、快適に眠ることができます。 また、高さ調節可能な枕は、首や肩の痛みを防ぐ効果もあります。 高さ調節可能な枕は、[ミライズ公式オンラインショップ]からご購入することができます。
2. 胃袋サポーター
胃袋サポーターは、お腹を優しく圧迫して胃内圧を下げる効果がある商品です。 胃内圧が下がると、胃酸が逆流しにくくなります。 胃袋サポーターは、伸縮性のある素材でできており、着け心地が良いです。 また、胃袋サポーターは、姿勢を正す効果もあります。 姿勢が悪いと、胃や食道に圧力がかかり、逆流性食道炎の原因になります。 胃袋サポーターは、インターネットやドラッグストアなどで購入することができます。
3. ハーブティー
ハーブティーは、食道や胃の粘膜を保護したり、リラックスしたりする効果がある商品です。ハーブティーには様々な種類がありますが、逆流性食道炎におすすめなのは以下のようなものです。
- カモミール:消化促進や粘膜保護の効果がある
- ペパーミント:胃の運動を改善し逆流を防ぐ効果がある
- ローズマリー:抗炎症や抗酸化の効果がある
- レモングラス:消化不良や吐き気を和らげる効果がある
ハーブティーは、コーヒーや紅茶などの刺激物に代わって飲むことで、逆流性食道炎の予防や症状の改善に役立ちます。
4. ヨーグルト
ヨーグルトは、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を含む商品です。 善玉菌は、胃や腸の働きを整えたり、免疫力を高めたりする効果があります。 ヨーグルトには、胃酸の分泌を抑えたり、胃や食道の粘膜を保護したりする効果もあると言われています。 ヨーグルトは、食後や就寝前に食べることで、逆流性食道炎の予防や症状の改善に役立ちます。
<逆流性食道炎の治るまでの期間>
逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流して、食道に炎症を起こす病気です。一般的には、薬物治療や生活習慣の改善で治ることができますが、個人差があります。治るまでの期間は、逆流性食道炎の程度や原因、治療法などによって異なります。
1.軽度の逆流性食道炎
- 症状:胸やけや胸の痛みなどが時々起こる
- 食道の粘膜:びらんや潰瘍がなく、赤みや腫れがある程度
- 治療法:制酸剤(水剤)や胃粘膜保護剤などを服用する
- 治るまでの期間:約2週間程度 軽度の逆流性食道炎とは、食道の粘膜にびらんや潰瘍がなく、症状も軽い場合を指します。 軽度の逆流性食道炎では、制酸剤(水剤)や胃粘膜保護剤などを服用することで、約2週間程度で治ることが多いです。 ただし、制酸剤(水剤)は長期間服用すると副作用が出る可能性があるため、注意が必要です。
2.中度の逆流性食道炎
- 症状:胸やけや胸の痛みなどが頻繁に起こり、飲み込みづらさや咳なども出る
- 食道の粘膜:びらんや潰瘍がある
- 治療法:プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーなどを服用する
- 治るまでの期間:約4〜8週間程度 中度の逆流性食道炎とは、食道の粘膜にびらんや潰瘍がある場合や、症状が強い場合を指します。中度の逆流性食道炎では、プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーなどを服用することで、約4〜8週間程度で治ることが多いです。 ただし、プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーも長期間服用すると副作用が出る可能性があるため、注意が必要です。
3.重度の逆流性食道炎
- 症状:胸やけや胸の痛みなどがひどく、吐血や黒い便なども出る
- 食道の粘膜:深いびらんや潰瘍がある、バレット食道(食道がんになりやすい変化)がある
- 治療法:プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーなどを服用するだけでは治らない場合は、内視鏡手術や外科手術などを行う
- 治るまでの期間:約3ヶ月〜半年程度 重度の逆流性食道炎とは、食道の粘膜に深いびらんや潰瘍がある場合や、バレット食道(食道がんになりやすい変化)がある場合を指します。 重度の逆流性食道炎では、プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーなどを服用するだけでは治らない場合があります。 その場合は、内視鏡手術や外科手術などを行うことがあります。手術を行った場合は、約3ヶ月〜半年程度で治ることが多いです。ただし、手術には合併症や再発のリスクがあるため、注意が必要です。
<逆流性食道炎の患者数と構成比>
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して炎症を起こす病気です。 日本では、成人の10〜20%が逆流性食道炎にかかっていると推定されています。 逆流性食道炎は、性別や年齢によっても異なります。
逆流性食道炎の患者数
逆流性食道炎の患者数は、正確には分かっていません。 しかし、日本消化器病学会が2015年に行った調査によると、以下のような推定値が出ています。
- 逆流性食道炎の自覚症状がある人:約1,400万人
- 逆流性食道炎と診断された人:約600万人
- 逆流性食道炎による食道がんを発症した人:約1万人
この調査では、インターネット上でアンケートを実施し、回答者の年齢や性別、逆流性食道炎の自覚症状や診断歴などを調べました。 また、逆流性食道炎による食道がんの発症率は、国立がんセンターの統計を参考にしました1。
逆流性食道炎の構成比
逆流性食道炎の構成比は、性別や年齢によって異なります。 日本消化器病学会が2015年に行った調査によると、以下のような結果が出ています2。
- 性別:男性が女性よりも多く、男女比は約6:4です。
- 年齢:40歳以上の方が多く、特に50〜59歳の方が最も多くなっています。 年代別の割合は以下の通りです。
年代と割合
20〜29歳: 5.8%
30〜39歳:10.9%
40〜49歳:18.9%
50〜59歳:22.1%
60〜69歳:19.8%
70歳以上 :22.5%
逆流性食道炎の構成比は、食生活や加齢などの影響を受けています。 高脂肪食や刺激物を多く摂取すると、胃酸の分泌量が増えたり、下部食道括約筋が弱まったりすることで、逆流性食道炎を引き起こしやすくなります。 また、加齢によって、胃や食道の運動が低下したり、胃酸の分泌量が減少したりすることで、逆流性食道炎を引き起こしやすくなります。
<まとめ>
逆流性食道炎は、日本では多くの人がかかっている病気ですが、正しく治療すれば治ることができます。逆流性食道炎に苦しんでいる方は、早めに医師に相談してください。また、逆流性食道炎を予防したり、再発を防いだりするためには、日頃から食事や睡眠などの生活習慣に気を付けることが大切です。