介護保険を使った住宅改修の中で、手すりの次に数が多いのが「段差解消」でしょう。段差解消は、文字通り、段差を取り除くことで移動の安全性を図るための工事、ということになります。
最近ではだいぶ減ってきたようですが、ちょっと前まで、その構造上、日本の家は段差だらけでした。これは、湿気が多いという気候によるもの、靴を脱ぐという生活習慣によるもの、畳や敷居を使う日本家屋の特徴など、様々な要因が考えられます。
介護保険工事でよく行われるのは、部屋と部屋との境目にある敷居を撤去することでしょう。これがあることで、つまづくだけでなく、歩行器や杖、車椅子などの通行の障害になります。部屋と部屋の高さが異なる場合は、小さなスロープ状にすることもあります。
また、玄関の上がりかまちには、たいてい幾らかの段差があります。段差の程度にもよりますが、概ね20㎝を超える段差には、「敷台」と呼ばれる木箱を設置すると昇降がより安全に行えます。
段差が低い場合はスロープ状にすることもできます。ただし、敷台にしてもスロープにしても、家屋に取り付けるものでないと住宅改修の対象にはならないので、注意が必要です。取り付けられない場合は、介護保険のレンタルで可能になる場合もあるので、ケアマネさんや福祉用具ショップにご相談ください。
もう一つ、浴槽のまたぎ高さが高すぎて、浴槽の出入りが困難な場合に、浴槽を取り替えることがあります。これも自治体によっては、介護保険の住宅改修に該当する場合があるので、必要な場合には市町村の介護保険課に確認をしてみてください。