よくバリアフリーと言いますが、家の中にはいくつかの「バリア」があります。
一つ目のバリアは「玄関」です。日本の玄関では、①上りかまちを昇降する、②靴を脱ぎ履きする、③ドアの開け閉めをする、という三つの動作をしなくてはなりません。その動作は、片足立ちになったり、しゃがんだりという、複雑な動きの組み合わせになります。さらに、広い玄関では④移動する、という動作も加わります。ですから、それぞれの動作を踏まえた手すりの形状や位置を検討しなくてはいけません。
①②③の動作には「縦手すり」、④の動作には「横手すり」が有効です。
となると、やはり玄関には、それらを組み合わせた “L字型手すり“ が有効になるでしょう。
写真のように、廊下に上がってから横移動がある場合は、L字に横手すりを加えるというアレンジも考えられます。また、上りかまちの段差が高い(30㎝を超えるような)場合には、かまちに座って立つという動作が予想されるので、縦棒を長くしておくことが必要です。
いずれにしても、高齢になってから取り付けるよりも、玄関手すりは早くから付けておくに限ります。人間は「こけそう」と思ったとき、無意識に近くの手がかりを探すものです。そこに手すりがあれば、元気な子供でもそれを持つでしょう。みんなに役立つということから、玄関の手すりは『ユニバーサル手すり』といえます。