『プロジェクトX』の誤謬


NHKで『プロジェクトX〜挑戦者たち』の再放送をしています。
普通は表に出ない開発者やエンジニアが、力を合わせて困難な課題に取り組み、それを克服していく…私はこの番組は大好きだったので、20年ぶりということで録画して観ています。胸に沁みる中島みゆきの主題歌は、今でも車で聞くことがあるほどです。

そこに登場する人物たちは輝いていました。引退した後でも、画像を見ながら困難を乗り越えたという達成感や、仲間達と課題を克服したという満足感でいっぱいになって、スタジオでうっすらと涙を浮かべる…そんな姿を目にして、自分もそうなりたいと思ったものです。

しかし、今の状況でこの番組を観ていると、当時の感動はもちろんあるというものの、何かしら空虚感のようなものも感じるのです。
それはおそらく、SDGsが叫ばれる今、にわか勉強ながら、縄文時代とそこでの働き方を知り、つい最近まで北海道にいたアイヌの人々の暮らしぶりを本で読んだからではないかと思うのです。
昭和から平成の時代のサラリーマンを支え続けた、「急げ」「がんばれ」「争いに勝て」…などという言葉や意識は、おそらく彼らには理解できないのではないでしょうか。
「拡大する」「自然に立ち向かう」「成功する」…などという発想がまるっきりなく、自然の一部として自然に感謝し、子孫を大切に残しながら淡々と生きていく、というベースの中で生きていた人たちに、『プロジェクトX』の各場面はどのように映るのでしょうか。

人はその時代時代を一生懸命生きてきたわけで、それは素晴らしいことですし、そのおかげで今、私たちがいます。
ただ、地球の環境そのものまで壊してしまうような営みは、ちょっと行き過ぎた感もあります。
まずは、自分の心の中から、そのスピードを緩めていきたいと考えています。

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