最近の家庭では「炎」を見ることが少なくなりました。
しかし、よく考えてみると、家庭内に限らず、エンジンがモーター(EV)に変わったり、火力発電が太陽光や原子力発電に変わったり、何か「炎」が人間から遠ざかっていくのを、見ているばかりのような気がします。
人類は炎に出会うことで、そこから明るさや温もりをもらったり、食べ物の種類を増やしたり、非常に大きな恩恵を受けることができました。
そしていま、数万年という歳月を経て、それが離れていくということは、はたして何らかの影響を人類史の展開に与えないものでしょうか。
<IHヒーターにあって炎にないもの>
①速さ ②安全性 ③コントロール性能
<炎にあってIHヒーターにないもの>
①明るさ ②ぬくもり ③匂い ④ゆらぎ
こんな大きな問題に、こんな小さなコラムで結論など出せるはずもありません。
ただ、私たちの周りから、便利さと引き換えに、少しずつ「和らぎ」のようなものが離れていこうとしていることは、しっかりと頭に置いておきたいと思います。
加えて、自然というコントロールなどできないものを、コントロールしていると思い込んでしまう愚かさと危険性を、あわせて持っておきたいと思うのです。