7/16の『「もっともっと」を捨てればなんとかなる』の稿で、「1日8〜12時間はどう考えても働きすぎです」と書きました。ただ歴史を2世紀ほど遡れば、それはとても贅沢なことと言えるようです。
西暦1800年前後、産業革命当初のイギリスでは、「1日10〜16時間で週1日の休み」という労働時間であったそうです。それを、実業家で社会改革者であったロバート・オーウェンらが1817年に「1日8時間労働」を新たな目標とし、30年後の1847年に、ようやく若年労働者と女性労働者に対する10時間労働を勝ち取ったそうです。(フランスでは1848年革命後に1日12時間労働を勝ち取ったとのこと。)
百数十年経った現在では、その状況はどうでしょうか。残業時間を含めると、実質的にはその当時から進んでいるような変わらないような、微妙なところかもしれません。
そんな中で、大幅な労働時間の減少と休日の増加は、それはそれは大変なことと言えるかもしれません。
しかし変わるときには変わります。いや、元に戻るといった方が良いのかもしれません。長い人類史の中で産業革命なんて、ちょっと前のことにしかすぎません。
「1日何時間労働」という区切りを設けるわけでなく、「必要な時間を必要なことに使う」というふうに、まずは頭をくるりと切り替えるところから始めたいと思います。