逆流性食道炎は、1990年代初めごろまでは、我が国では「稀な」病気だったのが、1990年代半ばから急に増え始めたとのことです(2020年刊『逆流性食道炎 最高の治し方大全(文響社)』より 以下同じ)。
それから数人に一人という「新国民病」と言われるまでに増加したのは、先に述べた通りです。
この病気が急激に増えた理由は、次の三つと言われています。
1.高齢化の進行
・筋力の衰え(括約筋の衰え)・背骨の湾曲(内臓の圧迫)
2.食習慣の欧米化
・動物性脂質やタンパク質の摂取過多(胃酸過多・肥満で腹部を圧迫)
さらに、3.ストレスもこの病気を促進させる、ということが指摘され、その実験結果もあるそうです。
なにかとストレスを抱えやすいのも、人生のひとつの曲がり角にきているフレイル世代の特徴でもあります。このことからすると、逆流性食道炎は、まさにフレイル世代につきまとう病気ということができるでしょう。
となると、逆流性食道炎の予防と克服は、フレイルの予防と克服につながります。
背中を少しあげて寝て、腹部を圧迫させないようにし、さらにストレスを溜めない工夫をする…これが逆流性食道炎から身体を守り、同時にフレイルから抜け出す新しい生活習慣ではないかと、私は思うのです。