青森の三内丸山遺跡をはじめとする『北海道・北東北の縄文遺跡群』が世界文化遺産に登録される見込みとなりました。今日の新聞では、地元関係者が「地域の誇りだ」と喜んだ、とありますが、これは地域というよりも、”日本の誇り“ というべきでしょう。
メソポタミア文明などの、いわゆる世界四大文明よりもずっと早くから、日本には実り豊かな自然の中で、安定・成熟した社会が築かれており、それが1万年以上も続いていた、そしてその時代は戦争をしていなかった、という事実を、これを機に多くの人に気づいてもらえるかと思うと嬉しくなります。
学校では、まだ初回で緊張している社会の授業の、前半20分くらいでさらっと流してしまう縄文時代。私を含め多くの日本人が、縄文人は石槍を持って獲物を求めてひたすら歩き回っていた、というような意識でいるのではないかと思います。今回の「北の縄文遺跡群」とその出土物を見てみると、その大きな間違いに気づかされます。
“縄文人の末裔” である我々日本人と、世界中の人々が、今後向かっていくより良い方向性を、1万年という長い縄文人の営みの中から見つけられないかと思います。