「縄文時代から学ぶ」という主張に対して、『その時代は必ずしもユートピアではない』という指摘があります。
食糧をめぐる争いや、野焼きなどの自然破壊、埋葬品から分かる格差の存在、などが言われます。確かに、この時代の全てを肯定できるわけではないでしょう。
しかし、縄文時代が12,000年ほども続いたということ、その間に殺人と考えられる事例(人骨)が極めて少ないこと、芸術性さえも感じられるような土器や土偶を数多く残したこと…といった事実は疑いようがありません。
現代人が、わずか150年ほどの間に、どれほどの人を殺し、どれだけの環境を壊してきたか、ということを思うとき、やはりたどり来た道を、謙虚に冷静に振り返ることの大切さを感じます。