今回のテーマである『フレイル』という言葉。英語で「虚弱」を意味する「frailty」からできたそうです。
2014年に、日本老年医学会が国民の予防意識を高めるために、より分かりやすい言葉にして提唱したとのこと。『フレイル』には、「ラ行」の音が二つも入っていることもあり、とても柔らかい優しい響きを感じます。
高齢化が進む中、健康寿命を延ばすため、医療費の高騰を防ぐためなどを目的に、学会だけでなく、国や自治体も、この言葉を広めようと力を入れていることはよく伝わってきます。気を付けてみていれば、テレビや新聞記事など、意外なほど多くのところで取り上げられていることがわかります。
しかし、「バリアフリー」などの言葉に比べると、まだまだ浸透はしていないように思います。確かに、歴史の長さが違うということはいえるでしょう。「フレイル」は、できてからまだ数年しか経っていませんから。「メタボ」や「ロコモ」といった言葉は、ブームのように過ぎ去っていった感じがしますが、「フレイル」は、その予防方法とともに、時間をかけてしっかりと広まっていってほしいと思います。